プロフェッショナルヨーガ
うちこさんのブログを読んでて気になった本、『プロフェッショナルヨーガ』。
ヨーガについて歴史や解剖学などすごい情報量で読み応えがあるのだけど、
アーサナの実践のページの初めに書いてある文章が本質的で、かつ分かりやすく、
こんな風に理解しやすく書かれているのを読んだのは初めて。
『アーサナを実践するメリット』
・パタンジャリによるアーサナの定義『スティラ・スクハム・アーサナム』は、一般に『安定した心地よい姿勢』と訳されます。どんなに美しくアーサナを実行しても、体を呼吸や心と統合しなければ、自分がやっていることをヨーガとは呼べません。ヨーガの本質はうわべの見せかけではなく、内面の修養です。
・健康を保つためのアーサナの実践は、出発点としてはもっともですが、目標ではありません。アーサナはプラーナーヤーマと瞑想の準備です。心が穏やかになってはじめて、途切れることのない集中の流れが生まれ、それが瞑想なのです。
・アーサナが正しく実行され、意識をもって実践されるとき、動きはなめらか、体は軽く、心に自由な感覚が生まれます。アーサナは個人の意識の探求です。身体はアーサナを通じて、心を鍛錬し、日常生活の障害を分析して克服する方法を発見するための手段になります。その意識をもって実践することは、ハタ・ヨーガにとってきわめて重要です。柔軟性や上級のポーズができるようになることよりも大切です。
・自分がどう動き、呼吸するかを意識していると、初心者でもポーズが落ち着いて優美になります。
目的地よりも旅そのもののほうが重要であることを自覚すれば、ポーズをやり遂げようとする努力のほうが、実際にやり遂げることよりも価値があるのかもしれません。
・体の内側に注意を集中して実践するとき、そのポーズがどんなに易しいものでも、それは上級のヨーガです。注意散漫で実践するのは、初心者の行為です。呼吸か、伸びている組織か、関節か、動きの滑らかさか、いずれにしろ体の内側に注意を向けましょう。
・実践するなかで、辛抱強さを身につけるのが重要です。自分の能力に応じて、ゆっくり確実に前進することによって、アーサナは上達するのです。
・注意が向くところに血液も向かい、血液が向かうところに必須の生命力であるプラーナも向かいます。
メモしておきたい箇所がいっぱいありすぎて本が線だらけになりそう。
このたった2ページの中に、簡単に理解しやすく書かれているのが素晴らしいと思った。
初めてこのページを読んだとき、
『体の内側に注意を集中して実践するとき、そのポースがどんなに易しいものでも、それは上級のヨーガです。』の一文がとても響いた。
アーサナの難易度っていうのはあるけれど、簡単なポーズであってもそのポーズへの向き合い方、取り組み方でも全く変わってくると思う。
体の内側に注意を集中して実践するとき、この著者が言う、
体を呼吸や心と統合している状態→ヨーガになるのだな。
読み始めたばかりで後半のプラーナーヤーマや瞑想の章にはまだ辿りつけていないのだけど、久々に良い本に出会った感じ。
線をいっぱい引いて読み進めたい。
『プロフェッショナル ヨーガ』by マーク・カン